「-セン」「-ッチ」名前や民族的な視点からサッカーワールドカップを考える
大手予備校で中1から高3の基礎クラスから東大クラスまでほとんどのクラスを担当しました。映像授業にも多数出演経験あり。
元東海大非常勤講師。
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資格:英検一級、通訳案内士(英語)、TOEIC950点
趣味:海外旅行、食べ歩き
特技:将棋アマ六段 (全国レーティング選手権優勝 1998)
元技術翻訳者、元富士通
スウェーデン、デンマーク、アイスランドなど北欧諸国の選手の名前は「-セン」「-ソン」という名前ばかり。「-セン」「-ソン」は何を指すのでしょうか?
快進撃が続くクロアチア。モドリッチ、マンジュキッチ、コバチッチなど 「-ッチ」で終わる一流選手の名前が目立ちますね。「-ッチ」は何を指すのでしょうか?
自分は純粋なサッカーファンではありますが、色々な国の選手を一同に見るワールドカップでは、サッカーだけでなくその国を民族的、歴史的な視点から様々な事を考えていまします。
今回は少し受験英語とは離れますが、少しだけ教養的な?ワールドカップの見方についてつらつら書いていこうと思います。
1. 「-セン」「-ッチ」= 息子
「-セン」「-ソン」は息子という意味です。
綴りを見ても”-sen”はともかく “-son” は英語と一緒だから分かりやすいかと思います。
英語でも”Johnson” や”Richardson”など-sonは珍しくないですね。
今回のワールドカップは予選を突破したスウェーデン、デンマーク、そして人口わずか33万人ながらアルゼンチンと引き分けて台風の目になりかけていたアイスランドなどは「-セン」「-ソン」だらけでした。
-senの中で日本で1番の有名人といえば 「みにくいアヒルの子」「人魚姫」「裸の王様」で有名なデンマーク人作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンでしょうか?
日本でも「アンデルセン」というパン屋さんも普通に見かけます。元々は「アンデルさんの息子」ですね。
同様に「-ッチ」も息子という意味という意味です。
レアル・マドリード所属でバロンドールも受賞したモドリッチは “Modrić” と綴りますが、この-icが息子なのですね。元々は「モドリさんの息子」。
ちなみにクロアチア代表だけでなくセルビア代表も「-ッチ」だらけでしたが、どうやらスラブ系のそれも旧ユーゴスラビア(南スラブ人がメイン)に多い名前のようです。
ところで日本人にとって「-ッチ」がつく有名人といえば、Jリーグ名古屋で選手や監督として活躍したストイコビッチ(セルビア)、テニスのジョコビッチ(セルビア)、そして今回のワールドカップは出場していませんが、スウェーデンのレジェンド、イブラヒモビッチといくらでも名前が出てきます。
日本にはかつてジュビロ磐田で活躍した元イタリア代表のスキラッチという選手もいました。
ユーゴ自体も内戦で消滅したわけですが、同じルーツを持っていてもこれだけ国が違うと苦難の末散らばっていたのだでしょうね。苦難の歴史を感じます。
(スイス代表やオーストラリア代表にも「ッチ」の名前の選手がいました)
それでもこれだけの名選手がいるという事は、特にスポーツに抜きん出ている民族であることは間違いなさそうです。
ここからは余談ですが、自分が予選を見た限りではクロアチアが1番強かったように思います。全試合見ている訳ではないのですが、アルゼンチン戦が半端なかった。
ひたすら試合を通して献身的に守備をしていたモドリッチ選手の一瞬の変わり身の速さ、右隅に突き刺したミドルシュートには鳥肌が立ちました。
誰も自分の予想など気にしていないと思いますが、2018年のサッカーワールドカップはクロアチアが優勝と予想します。
(追記:惜しかった!準優勝でした)
2. サッカーに熱すぎる中南米のラテン国家
日本で初戦に当たったコロンビア。南米の国であることは知っていてもどんな国が知っていますか?
自分もほとんど知らないのですが、かつては麻薬組織(メデジン・カルテル)が国を牛耳っていたというくらいで治安が悪い国という印象が強いんではないのでしょうか?
しかし日本の初戦にはおったまげました。とにかくスタンドがコロンビアのサポーター一色。一方で日本のサポーターの少ないこと。
戦いの場所ロシアのサランスクはモスクワから夜行列車で12時間!という辺鄙な場所で日本のサポーターたちも二の足を踏んだのでしょうか?
しかも、南米コロンビア。モスクワに行くのでさえ日本より全然遠いはずですが。。国としてお金持ちでもなさそうだし。。サッカーにかける熱気が違いますね。
ところでラテン語というのは古代ローマの言葉で、ラテン国家といえば本来はイタリア、スペイン、ポルトガル、フランスなどを指すのですが、現在では主にスペインの植民地だった中南米を指す言葉になっています。
南米の別名はラテンアメリカですしね。
彼らはとにかく情熱的で応援の熱気がすごい。本家?スペインの応援がおとなしく感じるほど。
アルゼンチン戦をNHKで解説した岡田武史元日本代表監督はアルゼンチンのサポーターを「前夜はお酒を飲んで夜中までバーで騒ぎ、試合当日は3時間前くらいにスタジアム入りして大騒ぎ。それでも試合中はずっと応援している」このように評していました。
「どうしてもあんなに元気なのか?」というようなことも言っていましたね。
ロシアのサランスクなる場所でのコロンビアのサポーターたちも同様の状況だったはず。日本はアウェイでもないのにアウェイになってしまって本当に良く勝ちましたね。
ところで南米のラテン国家ではどうしてそこまでサッカーが盛り上がるのでしょうか?
絶対的にサッカーが強いということは当然として、どこの国もサッカーが国技みたいな感じになっていることが多いと思われます。
日本に住んでいるとかなりの数からやりたいスポーツを選ぶことができますが、実はそれって経済的に豊かな国にだけ許されたかなり幸運なこと。
メジャーなスポーツはサッカーだけなんて国は珍しくありません。
後は、ワールドカップの最中は国が世界中の注目を集めるというのも大きいと思います。
日頃は世界のニュースはアメリカ、ヨーロッパの主要国、そして中国なんかが中心。
日本もそこそこニュースになりますが、南米の国が良い話で経済ニュースになることはないですからね。
簡単にまとめると、サッカーが国技ともいうくらい人気スポーツで、ワールドカップという大舞台で国の存在自体を世界にアピールできる。ラテンアメリカの人が熱くなるのも当然かもしれません。
(情熱の国スペインの血に加えて、気候も暑い国が多いのも関係してそうです)
3. 黒人の身体能力半端ない
セネガル強かったですね。
速い上に体がでかい。柔軟性があってしなやかで、一見届かないようなボールでも長い足を伸ばせば届くような感じで日本の選手も苦労していました。
黒人の身体能力を感じることはスポーツ観戦では多いですが、それでも全員黒人で揃いも揃ってスーパーな身体能力を目の当たりにすることは少ないので、今更ながら改めて驚きました。
ところで強いチームは白人・黒人混合チームが多いような気がします。その典型例はフランスでしょうか?イギリス代表も伝統的に黒人が多い気がします。
ブラジルもペレを例に出すまでもなく、黒人の選手が一定数います。
ところで南米はアルゼンチンのように黒人を見かけない国があります。歴史が関係しているのでしょうか?(アルゼンチン代表は先住民ぽい人も少ないような)
ただ日本が運良く勝てたコロンビアは黒人選手が目立ちましたね。しかしスタンドで観戦している黒人は少なかった。
調べるとコロンビアの人口に占める黒人の比率は4%。それなのに代表レギュラーの半分くらいが黒人って。
日本に生まれ育つと、大枠の中で人間は平等なんて考えますが、こと身体能力に関しては黒人優位は間違いなさそうです。
日本代表は純粋な日本人がほとんどですね。唯一酒井高徳選手がハーフ(母親がドイツ人)ですか。テニスでは大坂なおみ選手や陸上ではケンブリッジ飛鳥選手がいます。
サッカーの代表にも黒人選手がいると良いですね。オリンピックの代表だった鈴木武蔵選手は伸び悩んでいるようですが、今後に期待したいです。
ところで、日本が決勝トーナメント一回戦で対戦するベルギーにはエースのルカク選手など多くの黒人選手がいます。
(あの悪名高きレオポルド二世 ベルギー国王の「コンゴ自由国」にルーツを持つ選手など)
ルカクは身体がでかいのに足が速く跳躍力が半端ない典型的な黒人のスーパーアスリート。ワールドカップでもすでに4点取っています。
日本はどうやって抑えるのでしょうか?普通にやったらやられちゃうような気がしますが注目ですね。
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