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「頻出英文法・語法問題1000」「Next Stage」どちらをやるべきか?

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予備校英語講師歴20年重田真人です。
大手予備校で中1から高3の基礎クラスから東大クラスまでほとんどのクラスを担当しました。映像授業にも多数出演経験あり。
元東海大非常勤講師。
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資格:英検一級、通訳案内士(英語)、TOEIC950点
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特技:将棋アマ六段 (全国レーティング選手権優勝 1998)
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大学受験生向けの英文法の問題集はたくさん発売されていますが、デファクト・スタンダード (事実上の標準)になっている問題集は「全解説頻出英文法・語法問題1000」と「Next Stage英文法・語法問題」です。

この2冊は同じ著者が書いているのですが、「全解説頻出英文法・語法問題1000」はとてもお勧めできる一方で、「Next Stage英文法・語法問題」はあまりお勧めできません

ここではその理由を説明したいと思います。

一般に「Next Stage英文法・語法問題」(通称 ネクステ)を採用している学校が多いので、「全解説頻出英文法・語法問題1000」(通称 英頻1000) は存在すら知らない生徒が多いので、この嘆かわしい状況に一石を投じたいと思います。

1 英瀕とネクステを客観的に比較する

1-1 値段・ページ数・問題数など

全解説頻出英文法・語法問題1000 (大学受験スーパーゼミ) 単行本 – 2005/10/1
瓜生 豊、篠田 重晃 著
 価格 1,380円 + 税 桐原書店
ページ数 本体 368P 別冊問題編 144P 合計512P
問題数1,066 + Extra201問 (合計1267問)

Next Stage英文法・語法問題―入試英語頻出ポイント218の征服 単行本 – 2014/11/1
瓜生 豊、篠田 重晃
価格 1,330円 + 税 桐原書店
ページ数 512P
問題数1,474問

著者・出版社が同じで値段もだいたい税込み1,500円くらいとそこまで大きく変わりません。

目立つ違いは出版日。英頻1000の初版は1993年で2005年に一度改定されただけ。

一方ネクステの初版は1999年ですが改版を重ね現在は第四版。ネクステの方が明らかに人気があることを示唆しています。

1-2 本の構成

「全解説頻出英文法・語法問題1000」の構成

第1章 動詞とその周辺
[1] 時制 [2] 態 [3] 助動詞 [4] 仮定法 [5] 不定詞 [6] 動名詞 [7] 分詞 [8] 動詞の語法

第2章 形容詞・副詞とその周辺
[9] 形容詞の語法 [10] 副詞の語法 [11] 比較

第3章 名詞とその周辺
[12] 名詞の語法 [13] 代名詞の語法

第4章 関係詞・接続詞・前置詞とその周辺
[14] 関係詞の用法 [15] 接続詞の用法 [16] 前置詞と群前置詞の用法

第5章 その他の重要項目
[17] 主語と動詞の一致 [18] 疑問文と語順 [19] 否定・省略・強調

「Next Stage英文法・語法問題」の構成

Part 1 文法
第1章 時制 第2章 態 第3章 助動詞 第4章 仮定法 第5章 不定詞 第6章 動名詞 第7章 分詞

第8章 比較 第9章 代名詞 第10章 関係詞 第11章 接続詞 第12章 前置詞 第13章 主語と動詞の一致

第14章 疑問文と語順 第15章 否定・省略・強調 第16章 時制の一致と話法

Part 2 語法
第17章 動詞の語法 第18章 形容詞・副詞の語法 第19章 名詞の語法

Part 3 イディオム
第20章 頻出基本イディオム70 第21章 動詞を含むイディオム 第22章 形容詞・副詞を含むイディオム
第23章 名詞を含むイディオム 第24章前置詞の働きをするイディオム

Part 4 会話表現
第25章会話表現

Part 5 単語・語い
第26章 注意すべき語い (名詞・形容詞) 第27章 重要多義語 第28章 注意すべき単語の語形変化

Part 6 アクセント・発音
第29章 アクセント問題頻出単語 第30章 発音問題頻出単語

英頻1000は硬派に?文法・語法に特化していますが、ネクステは少しチャラい?感じで内容が盛りだくさんです。

英頻にはイディオム、会話表現、アクセント・発音などが含まれています。(後述しますが良いのはアクセント・発音だけです)

1-3 アマゾンの評価

「全解説頻出英文法・語法問題1000」の評価 4.4 (コメント者数94人)

「Next Stage英文法・語法問題」の評価 3.5 (コメント者数92人)

明らかに英頻の方が評価が高いことが分かります。

これはよく生徒に言うのですが、参考書でも問題集でも買う前には必ずアマゾンの書評を読んでからにしましょう。

コメントのレビューワーが10人以下だとヤラセのようなコメントで固めた本もあり、あまり信用できませんが、50人以上のレビューがあればかなり信用できます。

評価が高くても悪い評価もあえて読むと意外な欠点が見えることがあります。家電やPC周りなどは特にアマゾンで買わない場合でもアマゾンのコメントをチェックした方が良いですよ。

【 英頻とネクステ客観的な評価の比較まとめ 】

・版数を重ねていることからネクステの方が人気が高いと思われる

・扱っている項目がネクステの方が多いが、ページ数は同じなのでネクステの方が1項目当たりの内容が薄いと予想される

・アマゾンのレビューワーの評価では英頻の圧勝

 

 

2 英頻1000の方が優れている点

自分は英語講師になる前から英頻を愛用していおり、特に仕事を始めてからは繰り返しやりました。英頻は1問ごとの解説が詳しいので英語を教える事になったら最初にやるべき一冊と思います。
(これを読んでいる受験生が首尾よく大学に受かり、塾で高校生を教える事になったら先ずは英頻1000の内容を教えられるようにしましょう)

自分は英頻で満足していたので当初は新たに発売されたネクステには関心がなかったのですが、実際に予備校で教えるようになるとネクステをやっている生徒からネクステの問題に関する質問が多いので驚きました。

教えて2年目には毎週必ずネクステの質問にくる生徒まで出現する始末。そのおかげでネクステを買ってやる前からネクステの穴 (説明が足りない事) は嫌というほど分かっていました。

2 – 1 解説の量・質ともに英頻の圧勝

具体例を上げてみます。英頻とネクステでは当然かぶっている内容も多いのですが、解説がここまで違います。

【 ネクステ 600 】

Please remind (       ) the letters. (聖学院大学)

①me to mail  ②me of mailing  ③my mailing  ④of me mailing

【 英頻 287 】

Could you remind (       ) my academic advisor at 9:00 p.m. tomorrow? (慶応大)

①me to call  ②me of calling  ③me into calling  ④my calling

【 ネクステ 600-解説 】

remind A to do 「Aに・・・することを気づかせる」 (略)

!! 注意 ②me of mailing は付加。remaind A of doingの形はない。誤りの選択肢としてよく出てくるので注意。

【 英頻287-解説 】

remind A to do の形で「Aに・・・することを気づかせる」の意味を表す用法がある。

PLUS   remind にはremind A of B、remind A that 節 「Aに・・・ということを思い出させる」の形もある。(略)

!  ②me of calling は付加。S remind A of doing の形だと動名詞doing の意味上の主語とSは一致してしまう。S remind A to doの意味にするなら、動名詞doingの意味上の主語をつけて、S remind A of A(‘s) doingの形にしなければならない。したがって、本文もme of my callingとすれば文法上は可能になる。だたし、この形の用法はまれなので避けた方が無難。

違いは一目瞭然ですよね。

remind は remind A of B だけ覚えている生徒が多いので、remind A to doはきちんと説明しないといけないのですが、英瀕ではよく使われるremind A that 節に触れただけでなく、なぜremaind A of doing がいけないかを論理的に説明しています。(教える際にこれくらい知りたがる生徒は普通にいますよ)

英頻は東大早慶上智レベル、ネクステはMARCHレベルという切り分けをする人もいますが、自分の経験では真面目の勉強する生徒はどのレベルでも志望に関係なくきちんとした説明を欲しがります。

2-2 問題の網羅性が素晴らしい

さきほど述べた方に英頻は文法・語法に特化しているので網羅性が素晴らしい。計1,267問は四択問題だけでなく、整序英作文や誤文訂正なども含みバラエティ豊か。

センターレベルでを超えた問題も一部ありますが、英頻を一冊ものにすればセンターの文法で知らない内容が出ることはないと言い切れます。

2-3 問題編が別冊なのが良い

問題編は解説と別冊になっているものの方がはるかに使い勝手良いと思います。問題を解く時と解説を読む時をきっちりと分けて集中する事ができるからです。

ネクストステージは問題と解答・解説が見開きになっており、問題を解いていても答が気になってしまいます。

更に解説は薄くしようにも、問題よりは量が増えるので、問題がある左ページに空白が多い無駄な構造になっています。

 

 

3  Next Stageの方が優れている点

3-1 扱っている項目が多い

会話問題、イディオム、発音・アクセントは先に述べたように英頻では扱っていません。この点はアドバンテージです。

しかし、会話問題、イディオムはともに量が少ないし、厳選して選んだ風でもありません。やらないよりははるかにいいですが、その程度です。網羅性はとても低い。

3-2 発音・アクセントはかなり優れている

さんざんネクステをけなしているような気もしますが、ネクステの発音・アクセントはよく出来ています。網羅性も高いしCD付きなのも良いです。

その効果的な使い方は稿を改めて書く予定です。

4 結論

解説も網羅性も「全解説頻出英文法・語法問題1000」の方が「Next Stage英文法・語法問題」よりも圧倒的に優れていると思います。

先に、ネクステをやっている生徒からはネクステの問題に質問が多いと買いましたが、英瀕を勧めた生徒から英頻の問題に関する質問を受けたことはあまりありません。

よって学校でやらされている「Next Stage英文法・語法問題」が使いにくいと思う人は、「全解説頻出英文法・語法問題1000」を買うことを強くお勧めします。

余裕がある人は英瀕をやった上でネクストステージは二冊目の確認用に使うのをお勧めします。

5 余談

ネクステの解説が薄いのは学校の先生の見せ場を作るため?と思った事があります。解説が詳しいと教えることがないですから。

しかし、これだけ学校で導入されているネクステですが、一般に学校の扱いが悪いんですよね。

聞く話だと夏休みの宿題に◯◯◯~◯◯◯までやっておけとか、中間試験には◯◯◯~◯◯◯までが試験範囲だ という感じにだったりしますが、学校では一切の解説がなく、自己学習に任せられている事が多い気がします。

学校も教材としてネクステージをやらせるのなら解説もしっかりするべきだと思うのですが。

 

 

 

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