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共通テスト英語とセンター試験英語の違いを徹底検証【平均点、設問毎正答率】

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予備校英語講師歴20年重田真人です。
大手予備校で中1から高3の基礎クラスから東大クラスまでほとんどのクラスを担当しました。映像授業にも多数出演経験あり。
元東海大非常勤講師。
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資格:英検一級、通訳案内士(英語)、TOEIC950点
趣味:海外旅行、食べ歩き
特技:将棋アマ六段 (全国レーティング選手権優勝 1998)
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前回は設問数や問題形式から見た共通テスト英語とセンター試験英語を比較しました。

設問数に関しては共通テストの37問、センター試験英語の設問数は51問で問題数がかなり少なくなったことが分かります。

また、問題形式に関しては共通試験英語の問題は全て英文読解問題。図表やイラストを使った問題が多く、センターで大問1から3出題されていた問題は試行試験では見かけませんでした。

従って、センター試験英語で毎年のように出題されていた「発音アクセント」「文法」「整序英作文」「会話完成」「会話文」「不要文削除」「発言要約」は共通テスト英語では出題されないことが予想されます。

今回は共通テスト英語がどれくらい難しいのか?受験生は何点を目標にすれば良いか?を考える一助にするため、共通テスト英語試行テストの平均点と設問毎正答率を見ていこうと思います。

1 共通テスト英語 試行テストH30年度の平均点は約51点、センターより難化

試行テストは平成29年(2017年)にも実施されていますが、各設問毎の配点は公表されておらず、平均点も公表されていないようです。

従って考察の対象となるのは配点と平均点が公表されている平成30年(2018年)に実施された試行テストのみです。

平均点は大学入試センターの01_大学入学共通テストの導入に向けた平成30年度試行調査(プレテスト)マーク式問題に関する実施状況(速報)にまとめられています。

平成30年実施 共通テスト試行テスト 科目別の受検者数とマーク式問題の平均得点率等

平成30年実施 共通テスト試行テスト 科目別の受検者数とマーク式問題の平均得点率等

 

理科①などどれも平均点が20点代。他の科目も気になりますがここは英語の筆記(リーディング)にしぼります。

 英語のリーディングの平均点は51.25点と51.15点。上段と下段を受験パターンで分けているようですが、平均点はほぼ同じです。

一方センター試験英語の平均点はだいたい120点前後で約60%と考えることができます。

【 センター試験本試験 筆記試験の平均点 (200点満点) 】

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
116.17 112.43 123.37 123.75 123.30 116.31

ここから共通テスト英語の方がセンター試験英語よりも得点率が10%下がっている分難化していると考える事ができます。

ちなみに試行試験が行われたのは2018年11月10日と11日で実際の試験の2ヶ月前。また、どのような母集団が試験を受けたのかは明確ではなくあくまで参考値と考えるべきかもしれません。

ただ、自分が実際に解いた感想からすると、共通テスト英語の試行テストはセンター試験英語よりもかなり難しく感じたのでこの平均点はかなり正確な数字ではないか?と思いました。

実際に本番で行っていたとしてもそこまで大きく点は変わらないのでは?と。

また、大学入試センターは5割程度の平均得点率を念頭に置いて問題を作成したとも公表しています。

実際に本番が行われない事には正確な事は分かりようもありませんが、試行テストと同レベルの問題だとすると共通テスト英語(リーディング)の平均点は50点くらいだと予想できます。

 

 

2 共通テスト英語 試行テストH30年度の得点分布図 満点はほんのわずか

また先程のリンクでは、各科目の得点分布図も公開されていました。

平成30年実施 共通テスト試行テスト 英語リーディングの得点分布図

平成30年実施 共通テスト試行テスト 英語リーディングの得点分布図

 

やはり平均点の50点くらいが1番高い山になっています。

また60点から70点くらいは比較的高い山ですが、80点くらいからすごく低くなり90点超えはわずか。

満点はいないわけではないですがごく少数で有ることが分かります。

 

 

3 共通テスト英語 試行テストH30年度の設問毎正解率

次に平成30年(2018年)に実施された試行テストの正解率を見ていきたいと思います。

正答率により色を変えてみました。

正答率 70%以上 赤

正答率 50%~69% オレンジ

正答率 30%~49% 黄色

正答率 10% ~29% 緑

正答率 10%以下 青

大学入試共通テスト 試行テスト H30年実施 第1問解答・配点と正解率

問題番号 設問 解答番号 正解 配点 正答率
第1問 A 1 1 2 2 88.5%
A 2 2 1 2 56.8%
B 1 3 2 2 76.3%
B 2 4 2 2 82.1%
B 3 5 3 2 77.2%

第1問の配点は1問2点。

正答率は5問中4問が70%超えで比較的簡単な問題である事が分かります。

大学入試共通テスト 試行テスト H30年実施 第2問解答・配点と正解率

問題番号 設問 解答番号 正解 配点 正答率
第2問 A 1 6 3 2 88.7%
A 2 7 2 2 86.9%
A 3 8 3 2 67.2%
A 4 9 1 2 57.5%
A 5 10 2 2 58.0%
B 1 11 4 2 80.0%
B 2 12 2 2 41.6%
B 3 13 3 2 48.8%
B 4 14 1 2 54.1%
B 5 15 3 2 62.7%

第2問の配点は1問2点。

第2問Aは全て正答率が70%超えで比較的簡単な問題ですが、第2問Bは正答率が50%を下回る問題が2問あり普通レベルの問題と言えそうです。

大学入試共通テスト 試行テスト H30年実施 第3問解答・配点と正解率

問題番号 設問 解答番号 正解 配点 正答率
第3問 A 1 16 2 2 87.5%
A 2 17 3 2 64.5%
B 1 18 3 2 74.8%
B 2 19 1 2 62.1%
B 3 20 2 2 56.2%

第3問の配点は1問2点。

第3問Aは平均すると正答率が70%超えで比較的簡単な問題ですが、第3問Bも最低でも正答率が56.2%を超えているので、比較的簡単な問題と言えそうです。

大学入試共通テスト 試行テスト H30年実施 第4問解答・配点と正解率

問題番号 設問 解答番号 正解 配点 正答率
第4問 1 21 2 3 48.4%
2 22 1 3 68.2%
3 23 2,3 4 (*1) 59.7%
4 24 2 3 (*2) 49.8%
  25 4    
5 26 2 3 69.8%

*1は、過不足なく解答した場合のみ点を与える。

*2は、全部正解の場合のみ点を与える。

 

第4問の配点は1問3点のものが4題、4点のものが1題。

ここで複数正答した場合のみ加点される問題が2題登場。それでも正答率の低いもので48.4%なので普通レベルの問題と言えます。

大学入試共通テスト 試行テスト H30年実施 第5問解答・配点と正解率-正解率が極端に低い

問題番号 設問 解答番号 正解 配点 正答率
第5問 1 27 3 5 (*2) 21.7%
28 2
29 5
30 4
31 1
2 32 2,3,6 5 (*1) 8.7%
3 33 3 5 40.4%
4 34 1,3,6 5 (*1) 19.2%

*1は、過不足なく解答した場合のみ点を与える。

*2は、全部正解の場合のみ点を与える。

 

 第5問の配点は1問5点

複数正答した場合のみ加点される問題が3題も登場し、それぞれ正答率が21.7%、8.7%、19.2%と極端に低い。第5問は難しい問題と言えます。

大学入試共通テスト 試行テスト H30年実施 第6問解答・配点と正解率

問題番号 設問 解答番号 正解 配点 正答率
第6問 A 1 35 4 3 51.1%
A 2 36 2 3 28.6%
A 3 37 1 3 46.7%
A 4 38 1 3 39.9%
B 1 39 3 3 55.9%
B 2 40 2 3 36.9%
B 3 41-42 3-4 3 (*2) 17.5%
B 4 43 2 3 51.8%

*1は、過不足なく解答した場合のみ点を与える。

*2は、全部正解の場合のみ点を与える。

-(ハイフン)でつながれた正解は、順序を問わない。

 

第6問の配点は1問3点。

A2やB3など正答率が20%を切る問題があり、正答率が50%を超える問題が3問しかないので第6問は難しい問題と言えます。

平成30年(2018年)に実施された試行テストの配点・設問毎正解率から見た共通テスト英語の傾向

以上をまとめると、大問1から大問3までは配点は2点で比較的簡単な問題、あるいは普通レベルの問題。

大問4から大問6までは配点が3点から5点で難しい問題あるいは普通レベルの問題であることが分かります。

特に大問5は1題5点で配点が全体の中で1番高いですが、得点率も1番低く、共通テスト英語の試行テストではでは難しい問題ほど配点が高い事が分かりました。

第1問から第3問までは20問で1問2点なので計40点。

第4問から第6問までは17問で計60点。

共通テスト英語では問題が難しい後半で点を稼がないと高得点は望めないことが分かります。

 

 

4 共通テスト英語 で目標とすべき得点

さて、共通テスト英語で目標とすべき得点ですが、志望大・志望学部によりもちろん全然違う訳ですが、一般的には最低でも6割、できれば7割、8割なら上々という感じでしょうか?

センター試験英語では最低でも7割、できれば8割、9割なら上々という感じだったのでそれより1割下がる感じです。

センター試験英語は平均点が6割だった訳ですが、センター試験では平均点では合格ラインに入る大学はかなり少数でした。

共通テスト英語でも同様に平均点だと合格ラインに入る大学はかなり少数でしょう。

平均点+1割で視界が開けてきて+2割だとかなり選択できる大学の幅が広がります。

またセンター試験英語では満点は普通にいるレベルで、自分の教え子からも何回も満点を取りましたという報告を受けた事がありますが、共通テスト英語では満点はかなり難しいというのが得点分布率から分かります。

さて、2回に渡り共通テスト英語の試行テストをセンター試験英語との比較を念頭に置きつつ徹底的に分析してみました。

参考となる資料として量的に十分とは言えませんが、現段階でこの試行テストよりも本番に近いと思われる問題は存在しないはずなので、まずは敵の正体を知るために良く見直しておいて下さい。

次回からは具体的な共通テスト英語の対策についてまとめていこうと思います。

 

 

 

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