共通テスト英語とセンター試験英語の違いを徹底検証【 設問数、問題形式】
大手予備校で中1から高3の基礎クラスから東大クラスまでほとんどのクラスを担当しました。映像授業にも多数出演経験あり。
元東海大非常勤講師。
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資格:英検一級、通訳案内士(英語)、TOEIC950点
趣味:海外旅行、食べ歩き
特技:将棋アマ六段 (全国レーティング選手権優勝 1998)
元技術翻訳者、元富士通
すったもんだの末、結局予定通り2021年(令和)3年1
どの科目も共通テストはセンター試験に比べてかなり難しくなるという噂を聞きます。
ただし受験生にも学校教員にも予備校講師にも共通テストの問題としてオープンにされているのは平成29年(2017年)と平成30年(2018年)に実施された試行テストのみ。
この2回のテストよりも本番の形式に近いと想定できるものはないので、数回にわたり共通テスト英語の試行テストを徹底的に解析していこうと思います。
今回はまず、共通テスト英語およびセンター試験英語の解答欄を徹底チェック。設問数、問題数、配点などを最も基本的な事項を確認します。
次に実際の試行テストの問題を見ながらどういう問題が出るのかを探っていきます。いずれもセンター試験英語との比較を行うことにより共通テスト英語の正体を浮き彫りにしたいと思います。
今回の内容
1. 設問数・問題数・配点から見た共通テストの英語とセンター試験英語の違い
まずは「共通テスト英語 試行テストH30(2018年)の解答および配点」、次に「センター試験英語2020年本試験 解答と配点」を並べてみました。
まずはその先を読まないで独力でこの2つの違いを発見して下さい。
自分が気づいた違いは以下の通りです。
【 問題番号・設問・正解・配点から見た共通テストの英語とセンター試験英語の違い・変更点 】
・共通テスト英語は100点満点、センター試験英語は200点満点
・大問の数は何れも第6問までで同じ
・小問の数は共通テスト英語が10問、センター試験英語が11問
・設問数は共通テストの37問、センター試験英語の設問数は51問。
・共通テストの配点は2点から5点、センター試験英語の配点は2点から6点
(共通テストの配点は200点満点なら4点から10点、センター試験英語の配点は100点満点なら1点から3点)
満点200点から100点になったのが大きな変更点。加えて共通テスト英語は設問数がかなり少なくなったことが目に付きます。51問から37問ですからね。
なので1問当たりの比重(配点)が高くなっています。共通テストの配点は2点から5点ですが、旧センター試験同様に200点満点なら4点から10点にもなります。
特に1問10点はでかい!ですね。落とせないと言いたいところですがやはりその分問題難しくなっています。(次回に詳しく説明)
2. 問題形式から見た共通テストの英語とセンター試験英語の違いをじっくり観察しよう
次に試行テストの問題例を見ていきましょう。
少し長くなりますが、共通テスト英語H29年度(2017年)試行テストと共通テスト英語H30年度(2018年)試行テストの各小問(大問)の1ページ目を表示します。
どういう種類の問題かは各小問(大問)の説明欄の赤く囲った部分の単語から分かります。
ここからまず共通テスト英語の問題形式はどのようなものか?自分なりに理解して下さい。
その後でセンター試験2020年本試験の問題の各小問(大問)から特徴的なページを表示します。
センター試験英語と共通試験英語の問題を見比べながら、センター試験英語と共通試験英語の相違点、類似点をまとめていきましょう。
2-1 共通テスト英語 H29年度(2017年)試行テストの問題
2-2 共通テスト英語 H29年度(2017年)試行テストの問題を分析
まずは共通テストの出題形式として問は全て英語で書かれています。
これは俗に「英問英答」とも呼ばれていて、要は問題用紙の文字は全て英語で日本語は存在しません。(英語が苦手な生徒は心理的な圧迫に感じることも)
また、共通テスト英語は図表やイラストがとても多いですね。
そして以下の表に概要をまとめました。各小問(大問)の説明欄の赤く囲った部分をキーワードとして抽出、また1番問題形式が近いと思われるセンター試験英語の設問を書き出しました。
小問(大問) | キーワード | 内容の補足 | 近いセンター設問 |
第1問A | webpage | 香港の遊園地の案内 | 4B |
第1問B | poster | オープンキャンパスの案内 | 4B |
第2問A | reviews | レストランのレビュー | 4B |
第2問B | article | 学生とアルバイトの記事 | 6 |
第3問A | blog | 旅行記 | 4A |
第3問B | story | 新聞に書かれたある営業マンの話 | 5 |
第4問 | reports | 2つグラフとそれに対するレポート | 4A |
第5問A | article | アメリカ人学生の書いた折り紙に関する記事 | 6 |
第5問B | article | 黒胡椒と白胡椒に関する記事 | 6 |
第6問 | story | ある少年のキャンプ体験記 | 5 |
「近いセンター設問」を見ると、4A、4B、5、6のみで1~3の設問は全くありません。
2-3共通テスト英語 H30年度(2018年)試行テストの問題
同じようにH30年(2018年)の試行テストの問題もじっくり眺めて下さい。
2-4 共通テスト英語 H30年度(2018年)試行テストの問題を分析
H29年度のものと同様にH30年の共通テスト英語の内容も表にしてみました。
小問(大問) | キーワード | 内容の補足 | 近いセンター設問 |
第1問A | note | お別れ会についての手紙 | 4B |
第1問B | notice | 若者ミーティングの案内 | 4B |
第2問A | recipe | ミートポテトパイのレシピ | 4B |
第2問B | article | フランスの学校でのスマホ禁止ウェブ記事 | 6 |
第3問A | story | 留学生の書いたブログ記事 | 5 |
第3問B | story | 留学雑誌の記事 | 5 |
第4問 | articles | 学生の毒習慣に関する記事 | 4A |
第5問 | article | ジャーナリズムに革命を起こした男に関する雑誌記事 | 6 |
第6問A | article | 女性のキャリア開発に関する記事 | 6 |
第6問B | article | ある少年のキャンプ体験記 | 5 |
H19年度(2017年度)同様に「近いセンター設問」を見ると、4A、4B、5、6のみで1~3の設問は全くありません。
2-5 センター試験英語 2020年本試験の問題
センター試験の形式に関してはおなじみという人も多いでしょうし、特にセンターの大問1~3の形式のものは共通テストでは出ないと思われるので、こちらは軽く目を通しておく程度で結構です。
3. 問題形式から見た共通テストの英語の特徴とセンター試験英語の違いまとめ
2. から共通テスト英語とセンター試験英語の違いをまとめてみました。
【 問題形式から見た共通テストの英語の特徴とセンター試験英語の違いまとめ 】
・共通テスト英語は英問英答方式。問題の表紙以外に日本語は存在しない。
・基本的に共通試験英語の問題は全て英文読解問題。
・共通テスト英語の方が図表やイラストが多い。
・共通テスト英語の試行試験にセンター試験の第1問から第3問まで、すわなち「発音アクセント」「文法」「整序英作文」「会話完成」「会話文」「不要文削除」「発言要約」は存在しなかった。
最後を少し補足すると共通テスト英語では「発音アクセント」「文法」「整序英作文」「会話完成」「会話文」「不要文削除」「発言要約」はおそらく出題されないと想定できます。
また、共通テスト英語は問題形式的にセンターの4A、4B、5、6の形式を一部借用したような形式が目立つので、センター試験英語の過去問の特に4A、4B、5、6を解くことは共通試験英語の対策に有効と思われます。
共通テストの難易度、平均点、目標とする点数については次回の記事にしますのでお楽しみに。
しげT
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