アメリカ英語とイギリス英語の違い 最低限これだけは知っておこう!
大手予備校で中1から高3の基礎クラスから東大クラスまでほとんどのクラスを担当しました。映像授業にも多数出演経験あり。
元東海大非常勤講師。
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資格:英検一級、通訳案内士(英語)、TOEIC950点
趣味:海外旅行、食べ歩き
特技:将棋アマ六段 (全国レーティング選手権優勝 1998)
元技術翻訳者、元富士通
アメリカ英語とイギリス英語。もちろん英語である以上大半は同じですが、細かく見ると少なからず違いがあります。
ここでは受験生が「最低限」は知っておいた方がよいアメリカ英語とイギリス英語の違いをまとめました。
今回の内容
1. アメリカ英語とイギリス英語について
なぜ英語がグローバル言語、実質的な国際語とまで呼ばれるような地位を築いたか分かっていますよね?
(これが即答できる生徒は意外に少ないけど。。)
そう、戦後のアメリカが、軍事的にも政治的にも経済的にも一強と言えるくらい強い影響力を世界に対して示しているからです。(覇権を握っているとも言います)
一言でいうと英語が国際語になったのはアメリカが強いからですね。
イギリスもかつては7つの海を支配していたと言われるくらい世界中に植民地を持っていました。
しかしイギリスは自分の植民地で現地人に対してそれほど英語教育をやっていません。大英帝国の時代、英語はそこまで普及しませんでした。
さて、アメリカやイギリスに限らず土地が変われば英語もそれなりに変わるものですが、今回はアメリカ英語とイギリス英語の違いに絞ります。
イギリスには英語の本家である自負があります。
アメリカには英語が広まったのは俺達のおかげだという自負があります。
お互いに譲れない部分があるのですね。文法などアメリカ人とイギリス人でまるきり違うこともあります。
2. 日本の英語教育はアメリカ式?イギリス式?
基本的に日本の中学校は全てアメリカ英語で教えていると思います。高校も基本そうです。
(以前調べた時そうでした。イギリス英語を採用している学校をご存知でしたらぜひぜひ教えて下さい!)
イギリス系の学校でさえもアメリカ式を採用していると聞きました。戦後にGHQが強制したのかしら?
ところでアメリカ式とイギリス式ってどうやったら違いが分かるの?という声が聞こえてきそうですね。
簡単に違いが分かる方法があります。次の質問に答えて下さい。
3. あなたはペンを持っていますか?を英語にして下さい
(アメリカ式とイギリス式で)
どうでしたか? Do you have a pen? しか出てこなかったでしょう?しかしこれはアメリカ式なのです。
Do you have a pen? アメリカ式
Have you got a pen? イギリス式
イギリス式はhave gotという現在完了を使うんですね。ある時に手に入れて以来、今まで持っているわけですから現在完了形を使うのも納得ですが。
そしてその結果、否定文、疑問文も全然違います。
I don’t have a pen. アメリカ式
I haven’t got a pen. イギリス式
Do you have a pen? ― Yes, I do. / No, I don’t. アメリカ式
Have you got a pen?― Yes, I have. / No, I haven’t. イギリス式
下の方で習った人は間違いなくイギリス式です。
しかし中1の最初に習う基本表現で、日本人が苦手な現在完了を教えるのが嫌だからアメリカ式を採用しているという裏事情ももしかしたらあるかもしれません。
3. 高2くらいから突然イギリス英語も目にするようになる
という訳で、日本の中学生はイギリス英語を見る機会はほとんどないはずですが、高2くらいから期せずしてイギリス英語を見るようになります。
centre うん? center じゃないの? という経験は誰でもしたことがあると思います。イギリス英語を見るのは主に長文の中です。
大学入試の英語長文は評論文(論説文)が中心ですが、評論文とは主に大学の教授が書く論文のこと。アメリカとイギリスに限らず世界中の研究者たちが書くものですね。
すると、もちろんアメリカ人やアメリカに留学してアメリカで働いている人はアメリカ英語で書きますが、イギリスはイギリス以外にもイギリス英語で使う人が多くいます。
【 イギリス以外でイギリス英語を使う人 】
1. ヨーロッパ人 (英語をイギリスで勉強する人も多い)
2. イギリスの旧植民地 ≒ イギリス連邦諸国の人たち
1.もたくさんいますが、2. は想像以上に大きな勢力です。
カナダ、オーストラリア、ニュージランド、南アフリカをはじめ、アジアだとインド、マレーシア、シンガポール、香港などもイギリス英語です。
なので大学入試の長文はアメリカ英語の方が強いですが、イギリス英語を見ることも全然珍しくありません。
4. have got to の意味は?
さきほどの英文がヒントになっていますが、以下の英文を考えて下さい。
I’ve got to go.have got to の意味が分かりますか?
先程説明したようににhave (米) = have got (英) なのでhave got to (英) = have to (米) です。
I’ve got to go. = I have to. 行かなくちゃ
ただこの表現はアメリカでも普通に使われます。
ちなみにhave got to の省略形は have gotta あるいは gotta だけのこともあり、口語だと
(I) gotta go. などいいいます。「ガタゴー」と言ったら「帰らなけきゃ」「行かなきゃ」みたいな意味で、その場を離れる時に使います。
洋楽の歌詞にもよく出てきますよ。
他にも文法が違うものはいくつかありますが、受験で重要になるものは少ないので、何れ紹介したいと思います。
5. アメリカ英語とイギリス英語で単語が違うもの
かなりありますが、代表的なものをあげておきます。
日本語 | アメリカ英語 | イギリス英語 |
サッカー | soccer | football |
エレベーター | elevator | lift |
一階 | first floor | ground floor |
二階 | second floor | first floor |
手荷物 | baggage | luggage |
伝票 | check | bill |
テイクアウト | take out | take away |
ズボン | pants | trousers |
ごみ | trash | rubbish |
地下鉄 | subway | underground / tube |
サッカーは有名ですかね。アメリカでフットボールといえばアメリカンフットボールを指します。日本もサッカーと言いますが、フットボールという国の方が全然多いようです。
エレベーターはイギリス英語ではリフトと言います。確かに持ち上げている感じはありますね。
もっと要注意なのは「階」の言い方です。イギリス英語は一階はグランドフロアーと言います。lift内の表記は「G」です。これは慣れないと日本人だけでなく、アメリカ人でさえ間違える厄介なやつですね。
先程も言ったように旧英国の植民地はイギリス式ですから、アジアのシンガポール、マレーシア、香港なども一階は「G」表記です。
またイギリス英語では二階はファーストフロア、三階はセカンドフロアです。マイナス1をするだけで自分も慣れましたが、地味に面倒です。
「手荷物」を表す集合名詞のbaggae / luggage は共に不可算名詞で入試でも頻出ですね。
飛行場の手荷物受取り所の表記にも使います。なので特に意識しなくても手荷物受け取り所で「この国はアメリカ英語なんだ / イギリス英語なんだ」と確認します。
印象に残っているのはrubbishという単語。イギリス人なら生まれて最初に習うような単語ですが、イギリスに留学するまで全く知りませんでした。
入寮初日にイギリス人寮長に”Throw away your rubbish here.” と言われたのですが、rubbishという単語が分かりませんでした。
アメリカ英語のtrash / garbage は知っていたのですけどね。
6. アメリカ英語とイギリス英語で綴りが違うもの
アメリカ英語 | イギリス英語 |
recognize | recognise |
realize | realise |
color | colour |
rumor | rumour |
center | centre |
theater | theatre |
「-ize」(米)と「-ise」(英) / 「-er」(米)と「-re」(英) /「-or」(米)と「-our」(英)
この辺が受験生が最初に違和感を感じるところですかね。
とはいえ自分もイギリス在住時は違和感を感じまくっていました。
イギリスの職安はjob centreといって方方にあるのですが、目にする毎に微妙な違和感を感じていました。中心街はcity centre と言います。(アメリカ英語はdowntown)
いかがだったでしょうか?今回は直接得点につながるような話ではありませんでしたが、受験生が微妙に感じている違和感の正体を説明しました。
また、イギリスをはじめ旧イギリスの植民地では一階はground floorです。
将来海外旅行するつもりの人は是非覚えておきましょう。
大手予備校で中1から高3の基礎クラスから東大クラスまでほとんどのクラスを担当しました。映像授業にも多数出演経験あり。
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趣味:海外旅行、食べ歩き
特技:将棋アマ六段 (全国レーティング選手権優勝 1998)
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