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“Black Lives Matter”の意味と数ある日本語訳を詳しく紹介

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予備校英語講師歴20年重田真人です。
大手予備校で中1から高3の基礎クラスから東大クラスまでほとんどのクラスを担当しました。映像授業にも多数出演経験あり。
元東海大非常勤講師。
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資格:英検一級、通訳案内士(英語)、TOEIC950点
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特技:将棋アマ六段 (全国レーティング選手権優勝 1998)
元技術翻訳者、元富士通
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全米中に広がった暴動のせいで2020年6月現在、アメリカがやばいことになっているように見えます。

きっかけは2020年5月のミネソタ州ミネアポリスで丸腰の黒人男性が警官に殺された事がきっかけと言われていますが、我々もBlack Lives Matter(ブラック・ライヴズ・マター)という言葉をよくニュースで耳にするようになりました。

この”Black Lives Matter” の意味が分からないという質問があったので今回はその意味と数ある日本語訳を詳しく紹介したいと思います。

またこの3つの単語で構成される表現から大学入試に役立つ情報も詳しく解説します。

1 Black Lives Matter の意味は?

1-1 全体の意味

Black が「黒人の」という形容詞、Lives がlife「命」の複数形、Matterが動詞で「重要である」という意味で、文字通り約すと「黒人の命は(が)重要だ」という意味になります。

1-2 動詞のmatter

大学入試にも超頻出の動詞のmatter

自動詞なので目的語を取りません。

matterは元々「事」という意味の名詞。日本語でも「それは事だ」だと言えば「事件、重大な事柄」を指しますが、名詞のmatterにも「問題」という意味があります。

動詞のmatterの意味はここから派生して「問題」→「重要だ」となったはず。

そもそも「重要だ」という意味の単語がなぜ動詞なのか少し不思議ですが、英語にもわずかながらこういう単語があります。

【 以下の文を訳して下さい 】

It matters to me whether she comes or not.

 

Itは形式主語でwhether 以下を指します。よって

「彼女がやってくるかどうかが私にとって重要だ」という意味になります。

また、It doesn’t matter.「それは重要じゃない、たいしたことない」 という表現が日常的に使われます。口語ではItを省略してDoesn’t matter. という言い方もあります。

これも大学入試では必須ですね。

1-3 lifeは多義語

Black Lives Matter livesの意味が分からない生徒の中には「ブラック・ライヴズ・マター」「ブラック・リブズ・マター」と読んでしまう生徒もいます。

確かに

She lives in Tokyo.

のlivesは「リブズ」ですが、ここではlifeの名詞の複数形のなので「ライヴズ」と読みます。

もともとliveの綴りでも「生の、生放送の」と形容詞の使う場合は「ライヴ」ですよね。

そしてlifeの意味ですが、意味がすぐに4つ出てくるでしょうか?

「生活」という意味しか出てこないのでは大学受験は厳しいかも。

lifeのコアイメージは「生」。「生命」「生活」「人生」「生物」 という4つの意味がスラスラ出てきたら合格です。

ここでのlifeは「生命」の意味です。

1-4 黒人を表す英語は?

意外と黒人を表す英単語は出てこないという人もいそう。

黒人を表すのに1番無難で差別語にならない単語がblackです。

形容詞と名詞があって名詞で使う場合はblacksと複数形にもなります。

よく勉強している生徒はnegro (ニグロ)が黒人を表す差別語だとか、今ではAfrican Americanというのが正しいとかスラスラ出てきます。

ただすごくできる生徒には「黒人って英語で何と言うの?」とこちらが質問して”African American” と答えた場合、少し意地悪して「じゃあイギリスの黒人は?」と聞くと答えに詰まってしまう場合があります。

“African British” といえば通じるはずですが、日常的によく使われる言葉ではないと思います。

“African American”はいわゆるポリティカル・コレクトネス (political correctness 略称PC)により生まれた言葉。

性別・人種・民族・宗教などに基づく差別・偏見を防ぐ目的で、政治的・社会的に公正・中立な言葉や表現を使用することを指していて「政治的妥当性」などと訳されます。

男女が分かる単語例えば、policeman ではなく police officer を使うなどPCによっていつかの新語が生まれました。

この辺の男女が分からなくする単語には異論がありませんが、PCから生まれた単語が絶対的に正しく、よく使われている単語かどうかはチェックする必要があることもあります。

話が長くなってきたのでこの辺にしますが、黒人を表す1番おすすめの単語はblackです。

イギリス留学時代に黒人のイギリス人男性と友人で本人に直接確かめた事があるので間違いないと思います。

 

 

2 数ある Black Lives Matter の日本語訳 最適なのはどれ?

さて”Black Lives Matter” ですが、日本のメディアでは様々な訳語があります。

最近見かけたのは「黒人の命大切だ」というものです。なるほど。

そしてこの記事を書くに辺りウィキペディアを調べたところ、まだまだ色々な訳語がある事が分かりました。引用させて頂きます。

2020年5月のミネソタ州ミネアポリスで発生した黒人男性を白人警官が死に至らしめた事件に端を発する世界的に広がった抗議運動についての報道に際し、ハフポスト日本語版による当初の「黒人の命も大切だ」という日本語訳に対して異論・批判が生じたことを受け、「黒人の命を守れ」、「黒人の命も大切だ、軽視するな」、「黒人の命は大切(です / だ)」等の修正・追補が行われた。この「黒人の命は大切」という日本語訳は、他のメディアでも使用されている。

一方、この「黒人の命は大切だ」という日本語訳にも与せず、あえて「黒人の命を軽んじるな」と否定形を使った日本語訳も出ている[注 2]。

その他、「黒人の命にも価値がある」、(ジョン・ボイエガが発した「black lives always matter」に対する日本語訳として)「黒人の命はいつだって問題だ」・「いつだって黒人の命は大切だ」などがある。

それでもなお、「そのまま素直に訳せば、『黒人の命が大切』あるいは『黒人の命は大切』となる。しかし、現在の抗議行動の文脈からすれば、黒人参加者たちは『黒人の命こそ大切』と言っているニュアンスになる」とし、「黒人の命『も』大切」でなく、「が」でも「は」でもなく、「黒人の命『こそ』大切」と訳されるべきだとの主張もある。

まあ実に色々な訳語があるんのですね。どれも一理あります。

ただ個人的には基本的な意味さえ分かれば無理に日本語にしなくても良いと思います。

「黒人の命大切だ」という訳は悪くないと思います。

今回の暴動も警官によって殺される黒人の数が多いことがきっかけだと言われているので、アメリカの警官の中には黒人の命を(白人の命より)軽視する傾向があるのは間違いなさそう。

また、歴史的に考えても黒人はかつては奴隷として無理やりアメリカに連れてこられた訳で、当時は今よりも遥かに黒人の命が軽視されていたはずです。

なので「(白人の命だけでなく)黒人の命大切だ」という訳は一理あると思います。

またデモに参加している黒人参加者たちは他の人種との対比ではなく「黒人の命こそ大切」と考えていてもおかしくありません。この訳も一理あると思います。

ただ個人的には訳は「黒人の命大切」か「黒人の命大切」くらいに訳しておいてそれ以上こだわるのはどうなのかな?という気がするのですがいかがでしょうか?

何でもかんでも日本語にしようとするのではなく、英語をそのまま英語で理解することも大事だと思います。

 

 

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