claimは「文句を言う」じゃなくて「主張する」!!勘違い英単語02
大手予備校で中1から高3の基礎クラスから東大クラスまでほとんどのクラスを担当しました。映像授業にも多数出演経験あり。
元東海大非常勤講師。
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資格:英検一級、通訳案内士(英語)、TOEIC950点
趣味:海外旅行、食べ歩き
特技:将棋アマ六段 (全国レーティング選手権優勝 1998)
元技術翻訳者、元富士通
この写真の内容を英語にすると
He is claiming. で良いでしょうか?
今回の内容
1 [ claimに関するクイズ ]
Q1: claimの意味は?
Q2:「文句を言う」は英語で何と言う?
Q3: 空港内にあるbaggage claimとは何?
おまけQ: 一般にアメリカ人は謝らないと言われます。なぜでしょう。
(答がないようなものなので真面目に考えなくて良いです。アメリカ人と付き合っていると強く感じる事ですが)
2 [ claimに関するクイズ -正解 ]
A1: 主張する、要求する
A2: complain / make a complaint
Q3: 手荷物受取所
おまけQ: アメリカでは、謝ったら100%自分の責任だと認めてしまったことになり、一方的に責任を負うことになるので子供の頃から謝らないようにしつけられる。(あくまで説の1つですよ)
3 解説
3-1 [ Q1の解説 ]
クレームはいわゆる和製英語の典型です。日本語のクレームは「文句を言う」という意味ですが、英語にはこの意味はありません。claimは「主張する」「要求する」「請求する」という意味です。当然のこととして「主張する」というニュアンスがあります。
He claimed that he was innocent.
彼は無罪だと主張した。
受験英語で見かけるclaimは圧倒的にthat節が続くことが多いです。
またclaimは名詞でも使います。
My insurance claim was disapproved.
私の保険金の請求は認めてもらえなかった。
3-2 [ Q2の解説 ]
ではクレームは英語で何と言うか? 英作文でよく狙われます。
クレームを言う=文句を言うなのでcomplainが一番普通です。
They complained that the fee is too expensive.
彼らは料金が高すぎると不平(クレーム)を言った。
あと、complainの名詞形も超重要なので覚えて下さい。名詞形はすぐに出てきますか?
complaint
です。(tだけつける所が可愛い)
そしてこの名詞と動詞を作って「文句を言う」を表現するには
make a complaint
と言い方を使います。えっ、make?「不平を作る」ではピンとこない?
これは覚えるしかないやつですよ!
Our customer made a complaint about it.
私達の顧客がそれについての苦情を言った。
3-3 [ Q3の解説 ]
空港内にあるbaggage claimは「手荷物受取所」のことです。
ベルトコンベアーでスーツケースとかがぐるぐる回っている場所です。しかし手荷物受取所ととclaimの感じがないですか。
baggage claim とは「預けた荷物を(当然自分のものとして)請求する」場所のことです。「手荷物請求所」の方がclaimの感じが出ていますが、日本語でよく使う表現に合わせたのですね。
3-4 [ おまけQの解説 ]
おまけQ: 一般にアメリカ人は謝らないと言われます。なぜでしょう。
アメリカ人と付き合っていると強く感じる事です。アメリカ人は滅多に謝らないですね。
更には日本人はすぐにI’m sorry.と言いうのは、おかしいと怒られたりします。
理由の1つをアメリカ人の友人に聞いたところ、アメリカが訴訟社会であることも大きいと言っていました。
訴訟社会アメリカ。謝ったら100%自分の責任だと認めてしまったことになり、一方的に責任を負うことになるので子供の頃から謝らないようにしつけられるそうです。
(電子レンジ猫訴訟事件が有名ですね。猫を電子レンジ乾かして死なせてしまった人が、猫が死んでしまったのは注意書きになかったせいと電子レンジの会社を訴えて多額の賠償金を受け取ったという話)
以前、アメリカを留学している友達を頼ってアメリカ旅行をしたことがあります。
我々が乗った車が後ろの車にぶつけられました。(一部が少しヘコんだ程度) 明らかに相手に非がある感じでしたが、車を止めて出てきた男は大声でまくしたてます。自分は悪くないと言っています。
その言い方があまりに強いため、実際は彼はcliamしていたのにcomplianしているように感じました。
かつてとある日本人も同じような状況で勘違いしてclaim=文句を言うと間違って日本に輸入してしまったのでは?と推測しました。
そして、友達に「自分に非があるのにあんな言い方するだね」と言ったところ友達は涼しい顔で「アメリカでは普通。保険会社からも事故があった自分の責任を認めないように言われる」と答えました。文化の違い。。。
アメリカ人のclaim=主張は強いですよ!アメリカに長く住むと日本人も自然に強くなります。
大手予備校で中1から高3の基礎クラスから東大クラスまでほとんどのクラスを担当しました。映像授業にも多数出演経験あり。
元東海大非常勤講師。
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資格:英検一級、通訳案内士(英語)、TOEIC950点
趣味:海外旅行、食べ歩き
特技:将棋アマ六段 (全国レーティング選手権優勝 1998)
元技術翻訳者、元富士通
Comment
和製英語と実際の英語の違いについて解説していただけるのは、とても勉強になり助かります。
ありがとうございます。
和製英語といえば、私はチャージ(入金)とcharge(カード払いなどツケにする?)の用途の違いについて、少々混乱気味です。
(昨今の課金入金の混同みたいなものなのでしょうか…)
shin さん コメントありがとうございます。 確かにchargeは意味を捉えるのが難しい単語ですね。 自分は充電するのもchargeなので「足りないものを満たす」というようなイメージで捉えています。 スイカで残金がなくなれば、charge(入金)してカードを満たし、カード払いすれば支払いを満たすといった感じでしょうか。ツケにしても結局は払ったことになるのでそちらに重点があるのかなと思います。