旧称 センター英語解く得!

2019年度センター英語の分析 筆記は大幅な変更なし 難易度も例年並み

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予備校英語講師歴20年重田真人です。
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元東海大非常勤講師。
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資格:英検一級、通訳案内士(英語)、TOEIC950点
趣味:海外旅行、食べ歩き
特技:将棋アマ六段 (全国レーティング選手権優勝 1998)
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 1. センター英語2019年の概要-大幅な変更はなし

リスニングの第一問の謎キャラが大いに話題になったものの、筆記は前年度と同じ形式。同じ設問形式。同じ問題数。

問5の物語文も2018年のようにタコ型宇宙人が地球を探検にきたといったSFチックな問題は出題されず普通の物語でした。

2019年のセンターリスニングに出題された謎のキャラ。りんごや人参に羽がついていたり、きゅうりやぶどうが力こぶを作っている

 

作者は2018年にタコ型宇宙人の問題を作った人と同一、ということはないですよね。それにしてもぶっとんでるな。

リスニングの分析はまた近い内にアップしたいと思います。

2. センター英語2019年とセンター英語2018年の比較

2.1 形式

大問数-大問数は6で、昨年度と同じ。

設問数-設問数は48で、昨年度と同じ。

解答数-解答数は54で、昨年度と同じ。

清々しいくらい、昨年と変わりませんでした。

2.2 平均点

2019年1月23日に大学入試センターより2019年センター試験の平均点が発表されています。

英語筆記の平均点は125.54。(2018年は123.75で+1.79)

英語リスニングの平均点は31.92。(2018年は22.67 +9.25)

リスニングは昨年難しかったのでかなり点が伸びましたが、筆記は昨年より微増。うまく作るもんですね。

3. 設問毎の感想

3-1 第1問A 発音

発音の問3は解きづらかったと思います。

全部「オウ」あるいは「オー」と思った人もいるかもしれないですね。

①stone  ②story  ③total  ④vote

答は②だけが[ɔː]で残りは[ou]。と自分も思っていたのですが、なんとstoryには厳密に言うと[ou]の発音もあると読者の方に指摘されびっくりしました。

不完全な問題ですね。

ただ個人的は問2のようにあからさまに違う発音がある問題でも得点は普通にバラけるので、センターレベルでここまできわどい問題は出さなくても良いのでは思いますが、いかがでしょうか?

3-2 第1問B アクセント

多く出題されるメジャーなアクセントのルール (-ic, -icalで終わる単語は1つ前、-ate, -ousで終わる単語は2つ前にアクセントがあるなど) は今年は少な目でした

細かいものは解説で書いた以外にもあるようですが。

超頻出のアクセントルールはこちらを見てください。センター試験直前は一番アクセスの多かった記事です。

センターが大好きな日本語化した英単語のアクセントは今年はたくさん出た印象。

2019年第1問Bに出た単語ではっきりと日本語化している単語はcon・trol, e・qual , cal・en・dar、char・ac・terなどです。

3-3 第2問A 文法・語法

比較的簡単かつ定番の問題が多かった印象です。

3. After (  ) dropping the expensive glass vase, James decide not to touch any other objects in the store.
①almost  ②at most  ③most  ④mostly

・almost 「ほとんど」→ 「危うく~しそうで」

almostは授業でも強調する単語で、たとえば He was almost late for school. は「彼はほんんど遅刻した」では意味が分かりません。

授業でそう訳す生徒がいたらすかさず「遅刻したの?しなかった?」と聞くと分かってくれる生徒が多いです。

結局「ほとんど遅刻状態だった」けど「遅刻はしていない」ので「彼は危うく遅刻しそうだった」が正解になります。

本文でも彼は危ないけど高価なガラスの花瓶は落とさなかったのですね。

 

6. の otherwise。以下は記事を読んでくれたでしょうか?センター試験では「さもないと」が定番ですが、私大や国公立では4つの意味全部でますよ。

 

8. は試験は大好物の分詞形容詞の問題。例えばshockという動詞は「衝撃を与える」が基本的な意味。

そこから派生したshockedは「(人が)衝撃を与えられる」→ 「(人が)衝撃を受け取る」、shockingは「(物が)衝撃を与える」という意味になります。

3-4 第2問B 整序英作文

意地悪な問題はなかったと思います。それにして問1のように間接疑問文を含む問題、センター英語は好きだな。

問2の restは「休憩」の意味しか知らない生徒がいるので出題したのでしょうか。rest of ~の形では「~の残りの」意味になることが多いです。

問3の make oneself heard は定形表現。

make O Vp.p. の形はmake oneself understood / make oneself heard の何れかになることが多く、ほとんどの文法問題集では両方扱っているのでは?と思います。

3-5 第2問C 会話完成

問1のIt can’t be helped. は知っていましたか?

授業で口を酸っぱくして言うことですが、can’t help Ving「Vせずにはいられない」と丸暗記するのは効率が悪いです。help は人を目的語に取らない場合は「避ける」という意味になります。イコール avoid です。

なのでcan’t help Ving は「Vすることを避けられない」→ 「Vせずにはいられない」となります。

 

動名詞の熟語についてはこちらに詳しく書きました。It can’t be helped.についても記述がありますよ。helpの意味を知っていれば簡単に理解できます。

応用です。以下の文はどう訳しますか?

It can’t be helped.

まさか、まだ「助けられないよ」なんてやってないですよね。

「それは避けられない」→「仕方ない」という意味になります。

問2のbarely はalmostとセットで習うことも多い単語です。

barelyは「かろうじて~できた」なのでalmostとは意味が異なります。

問3のuntilは「~までずっと」。「~までずっと待つ」「~までずっと滞在する」「~までずっと仕事をする」etc. など使える動詞表現は結構限られまずが、「~まで延期する」もuntil とセットで使うことが多い表現です。

 

 

3-6 第3問A 不要文削除

2018年同様2019年も不要文削除は第3問Aに。

問1と問3が標準的な問題。

問2もよく見ると②だけ都会の鳥 VS 都会の鳥 あるいは田舎の鳥 VS 田舎の鳥 になりますが、少し解きづらかったという感想を聞きました。

しかし解答には関係ありませんが都会の鳥って賢い上に強いんですね。子供の頃にとんぼを捕まえるのが大好きだったのですが、都会のとんぼはとにかく捕まえづらかったのを思い出しました。

3-7 第3問B 発言要約

2019年の第3問Bのディスカッションは退職する恩師へのプレゼントをどうするか?というものでした。

問3は2017年、2018年に続いて全員の発言に共通した内容を問う問題が登場しました。問2も2人に共通する意見を聞くものですね。

うーん。良いですけどなんか中身が日本的だなぁ。もっと激しく自分の意見を主張するのがアメリカおよび英語圏の特徴だと思うんですが。

以前日本に9年ほど住んだアメリカ人女性と仲が良かったのですが、日頃は温厚なのにスイッチが入るととんでもなく自己主張が強かったし。

ところで leisure の意味は大丈夫でしょうか?一時期入試の長文でもよく見られましたが「余暇」という意味です。日本語のレジャーは「娯楽」の要素があるので少し違いますよ。

3-8 第4問A 図表読み取り

ほとんど2018年と出題形式が変わらなかった中でマイナーチェンジが一番あったのが4Aでしょうか?

定番中の定番の最終段落に続きうる内容を問う問題が出題されませんでした。

あと、第一段落が命でそれ自体は変わりませんが、2019年は直接問題にからむことはありませんでした。

ただ全体的には素直な問題が多かった印象。表も1つしかないし解き易かったと思います。

3-9 第4問B 広告文

例年よりも見なくてはいけない文量が多く、少しだけ解きづらかったかもしれません。

問1は広告を見た瞬間に数字に目がいけば簡単に解けたと思います。センター英語は数字の他にも大文字なので目立つ表記になっているものがキーになることが多いので最初にさっと目を通したいです。

問2はHolmsted と performances を見て即決した人が多いと思います。それで正解ですが、Rosebush も候補で時間帯で☓になるのを確認しましたか?

問3はどれも紛らわしい選択肢。落ち着いて解かないとやられちゃいますね。

問4の fine arts は知っていましたか?「素晴らしい芸術」ではありません。

授業で聞いても知らない生徒が多いですね。art を「芸術」だけだと思っていたらart = fine art で問題ないんですが、art には「技術」という意味もあります。

fine art は純粋に「芸術」だけを表す単語です。

具体的には絵や彫刻などを美術作品を指します。

 

 

3-10 第5問 物語文

良い教訓を含むハッピーエンド的な話というのがセンター英語物語文の定番ですが、今年はその王道を行く問題でした。

この手の話がネタ切れなので2018年はタコ宇宙人が登場したと思ったのですが、単にタコ宇宙人の評判が良くなかったので元に戻したんですかね?

今回の物語は根拠が曖昧な問題もなく解きやすかったのでは?と思います。それにしても意味類推問題でbug-freeを問う問題が出ましたが、-free は推測でなく知らないと駄目ですね。

3-11 第6問 論説文

道路が人類の発展と繁栄に重要な役割を果たしてきたというテーマの論説文。

それはそうですが、地味なテーマだなと思って読んでいたらインターネットも情報を送る道路とありました。なるほどその展開ですか。

2019年の第6問は例年と同じパターンでした。段落ごとの違いもはっきりしていたのでそこまで難しくない B も例年以上に易しく感じました。

センター英語のどこかで出題されることの多い単語(語句)の意味類推問題は、今年は物語文だけでなく、第6問でも出題されました。

imperative はレベルの高い単語ですが、難関私大志望者なら知っていてもおかしくないレベルです。

necessary や essential 同様にIt is imperative that S 動詞の原形のいわゆる仮定法現在の形を取りますよ。

第6問Aの問2~5も標準的なレベル。

最後まで解いて大幅な設問の変更がないことにホッとした受験生も多かったのではないでしょうか?

 

それにしても平均点をほぼ6割にもってくるという事に関して、センター試験の科目の中で英語は一番安定していますね。

しげT

 

 

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